Avalanches / Wildflower

フジロックのキャンセルは残念の一言です。(僕はそもそも苗場に行けませんが。)
そしてなんとなくそんな気がしなかったとも言い切れず…。(笑)
アヴァランチーズが一番のお目当てと決めていた方も多いのではないでしょうか。当レーベルのAyakoさんもがっかりしておりました。せめて単独来日があったらいいですね!

でもでも「出る出る詐欺」かと思われていた新譜の方は無事にリリースされましたね!
(これがすばらしい作品なだけに、フジのキャンセルが余計に悲しいのですが…。)

気を取り直して、16年ぶりの「Wildflower」について、と
その前に全作「Since I Left You」について。

2000年の作品で、これまで常にどの時代に於いても「今でも色褪せない」と言われ続けた金字塔的名盤なのですが(そしてそれを疑う余地もなかったのですが)、
いざ新作が出てくると、やはり多少の時代の流れは感じますね。
唯一無二だったものも(本人の)比較対象が出てくることで再考することができるかと。

90年代の終わりから00年代にかけては、ロックとクラブミュージックの垣根が破綻してきた時期であり、両サイドから歩み寄りのあったタイミングと記憶しております。
故にエッジの効いた強度の強めな音が媒体含め、メインストリームで賑わっていたようにも思い出されます。(記憶がずれていたらごめんなさい。)
そしてUK、US主体に流れてきていた音楽の情報も、ネットの普及もありより多様化してきた時期でもあったと思います。特にこの頃のオージーは勢いがありましたね。

そんなタイミングで青天の霹靂のように現れたAvalanchesに衝撃を受けた方も多かったと思います。
サンプリングを駆使した音楽IQの高い(という言い方はもはや嫌がられるかもしれませんが…)楽曲性は、捻くれた音楽好きには瞬く間に受け入れられました。
今聴いてもユーモアと野心にあふれるサウンドプロダクトは風化しないし、気分があがります。ずーっと思ってました。

(いや、最高です。)

そして待望の新作「Wildflower」。16年間のノスタルジーをいとも簡単に刷新してくれましたね。(制作目線ではいろいろあったと思いますが、あくまでもリスナー目線です。)いやほんと、最高です。

音の盛り上げ方は「これぞアヴァランチーズ節!」と変わりはないのですが、角が取れたというか、よりスムースになりました。いい意味で肩の力が抜けているというか、これが現代版アヴァランチーズだなと。(関わっているアーティストの力もあると思います。)
ヒップホップ色が強くなったりと、ディテールの違いはあるのですが、ものすごい気持ちいいなぁ。いや、マジで最高です。

時季的にもマッチしたサマーブリージンな感触が、フェスでもカーラジオからでも流れていてほしいです。
つくづく、フジロックのキャンセルが残念です。若い子にも聴いてほしかったなぁ。

いやー、トんでますねぇー。

 

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